考古学に携わる日々を綴るブログ


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近江貝塚研究会第206回12月例会の御案内

研究会の御案内です。
植物遺存体の報告資料の利用方法など,色々考えなう。

---------ここから。
・第206回12月例会の日程のご案内です。第2報告について、事務局の不手際で調整未了でしたが成功!改めてご案内します。
・懇親会(会費3000円前後)もございますので、親交拡大にご活用下さい。
・インフルエンザの流行などに伴い、行政指導により急遽中止になることもあり得ます。

・来年1月以降の例会予定日は以下の通りですので、カレンダーにご記入ください(変更することもあり得ます)。
207回 1/22(動物考古学特集)
208回 調整中(土偶の機能用途論ほか)
209回 3/12(残存デンプン研究ほか) 
------------------------------------------------------------------------------------------
■日時:12月18日(土)午後1:30~午後6:00  
■場所:滋賀県埋蔵文化財センター 2階研修室
    http://www3.ocn.ne.jp/~shiga-mc/chizu-access.htm

■例会  
報告1 青山 航  「高山寺貝塚再考」

(要旨) 
本発表では、和歌山県田辺市に所在する高山寺貝塚の形成時期を縄文土器から再検討する。

高山寺貝塚の縄文土器は、高山寺式土器と、同時期の他型式の土器が少量出土する、高山寺式期の単純遺跡とこれまで考えられてきた感が強い。

しかし、今回土器資料を再検討する中で、高山寺式土器と時期差を示す可能性のある山形紋土器が存在した。
これらの土器が時期差を示すのか否かを検討し、高山寺貝塚の形成時期を再考していきたい。

なお本発表では、龍谷大学が1965年に発掘した高山寺3号貝塚の資料紹介を含め発表を進めて行きたい。( 龍谷大学大学院修士課程1回)


報告2 中沢 道彦 「縄文時代遺跡出土栽培種植物種子の検証」

縄文時代遺跡出土栽培種植物存在の根拠の検証を行い、今日的に縄文農耕論を考える。

縄文時代が狩猟、漁撈、採集による採集経済、弥生時代が水稲耕作を主とする食糧生産経済とする今日定説の枠組は山内清男1932・1933「日本遠古之文化」『ドルメン』にはじまる。

当時、農耕、牧畜を経済基盤とする西欧新石器時代に対比されるべき日本列島の縄文時代を「農耕を欠く新石器時代」に性格づけた点はオリジナルだが、その背景には有名な北米インディアンモデルの他、当時の遺跡出土植物遺存体データ、山内の縄文時代の短期編年観、地理的環境で西欧でも農耕の伝播が遅れる北欧や島国英国モデル、日本列島のほとんどの栽培種植物が大陸起源とする当時の植物学の最先端の研究成果などがあった。

これに対する縄文農耕論は、農耕をもつ西欧新石器時代観によるもの、大遺跡の成立背景を農耕に求めたもの、民族調査に基づく仮説など論点は多様であるが、縄文時代の植物栽培存否の議論の過程で学問を大いに進めてきた。

山内による枠組みが今日でも大きく揺るがないにしても、その学問の前提が80年以上の歳月の中で動いている部分もある。人が何らかの手を加えた管理された植物の存在は否定できない。

酒詰仲男1956「日本原始農耕試論」『考古学雑誌』の目線は今日的に学ぶ必要がある。ただ、平成時代に確実視された縄文時代の栽培種植物の根拠に問題があるものもある。縄文時代遺跡出土栽培種植物種子の検証を行い、議論の定点を求めたい。
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by hrs-blog | 2010-12-04 21:36 | 研究のこと

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